自然療法クアオルトの保養地が活発化

ひまわり生命が全社員にクアオルト体験を提供する「健康応援企業」を目指した取り組み実施 したと報道されました。
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険は、全社員3200名を対象にした健康応援施策「クアオルト(Kurort)」を実施しました。
その取り組み内容は自然の中でウォーキングや食事を楽しみ、また地元民と交流することで心身の健康を増進させる取り組みです。
将来的には様々な自治体と提携して、顧客や法人の取引先などにも提供していきたいという計画です。

では、自然療法クアオルトの生まれた流れを見てみましょう。
ドイツでは、クアオルトのような医療保険が適用になる自然療法やホメオパシー医学、そして現代医学などが選択できる統合医療になっています。
クアオルトでは、医療保険が適用される場所で、専門医や医療機関のほか、様々な施設が稼働しています。
ということは、ハードソフトともに、質の高いものがあり、クアオルトを日本で実現するためには建設経費や運営経費も膨大なものになります。また、日本の温泉を取り巻く環境もドイツとは異なり、日本では医療保険の適用は受けられません。
クアオルトが理想的だとしても、ドイツの仕組みそのままでは、日本の風土や文化、国民性に馴染まない部分が沢山あるということです。

ドイツの仕組みそのままでは日本に馴染まないとしても、日本の自然環境は、海や山が近く、川や温泉もたくさんあり、クアオルトの視点から検討すれば、世界でも大変恵まれた資源を持つ国です。
この自然資源をどのように生かして、国民が健康になることが出来るかという視点は、健康長寿のためには極めて大切なものです。

いくら自然資源に恵まれても、健康づくりが十分推進されたとは言えません。
大切なことは、健康づくりを進めるための社会環境をどう整備するかという課題に応えることです。
個人で健康づくりに取り組むだけではなく、たくさんの仲間とともに、楽しく無理なく安心して取り組むためには、地域上げての健康づくりを目指す日本型のクアオルトが有効です。

ドイツを基本としながら、日本の風土や文化、国民性に合わせた、健康づくりのプログラムや仕組みを提供し、自治体をあげて健康づくりに取り組むことで、地域住民の健康が向上し国民健康保険や介護保険を担う自治体の経営にも効果が出てきます。
日本型のクアオルトは、行政内部の様々な部署が連携して取り組む必要がありますが、まだまだ日本型のクアオルトの研究は進んでいません。そのために、様々な専門分野の研究を進める必要があります。

医療の分野、運動の分野、メンタルヘルスの分野、介護や福祉の分野、環境の分野、景観の分野、公共政策の分野、地域産業の連携の分野など、様々な分野の専門家が関わり、「日本型クアオルトの概念規定」というものを明確にする必要があります。
このような日本型クアオルトは、50年近く前から、観光地として有名な九州の由布院温泉のある由布市で取り組まれてきました。
このクアオルトのまちづくりが人々に評価されて、たくさんの観光客が訪れています。

そのほか、山形県上山市、和歌山県田辺市、新潟県妙高市、石川県珠洲市、島根県大田市、秋田県三種町、群馬県みなかみ町、 さらに2017年には兵庫県多可町が加わり、全国6市3町が日本クアオルト協議会を結成し、現在日本型のクアオルトを目指して、各自治体が取り組みを開始しているところです。

一般社団法人 健康保養地医学研究機構

マラリア原虫が免疫抑制

結核、エイズと並ぶ世界三大感染症のひとつであるマラリアは、毎年およそ3億人が罹患し、50万人ほどが死亡すると報告されているが、有効なワクチンの開発は困難で今まで成功しておりません。
ヒトに感染するマラリア原虫のうち、熱帯熱マラリア原虫が特に重症化を引き起こします。
また、マラリアは感染しても十分な免疫が獲得されないため、何度も感染することから、マラリア原虫には人類の免疫システムから逃れるメカニズムが存在すると考えられます。
今回、大阪大学微生物病研究所/免疫学フロンティア研究センターの齋藤史路特任研究員、平安恒幸特任助教、荒瀬尚教授らの研究グループは、ヒトに感染する熱帯熱マラリア原虫が免疫応答を抑えて重症化を引き起こす分子メカニズムを発見しました。
本研究成果はマラリアに対するワクチン開発や治療薬の開発に大きく貢献すると期待されます。
熱帯熱マラリア原虫のRIFINというタンパク質は、LILRB1という免疫抑制化受容体を介して免疫応答を抑えることが判明しました。
さらに、LILRB1を介した免疫抑制がマラリア重症化に関与していることが明らかになりました。
熱帯熱マラリア原虫に感染した赤血球上にRIFINというタンパク質が発現し宿主の免疫反応を抑制することでマラリア重症化が起こることを発見しました。
重症化の仕組みが分かったことで、有効なワクチンが存在しないマラリアに対してワクチンの開発や治療薬の開発が可能になることが期待されます。
サイトメガロウイルスやヘルペスウイルスなどの潜伏感染するウイルスは、免疫細胞に発現している抑制化受容体に結合する分子を感染細胞上に発現させることで宿主の免疫応答を抑えて、体内から排除されないようにしています。
しかし、マラリア原虫を含めてウイルス以外の病原体では、抑制化受容体を介して免疫応答を抑制するメカニズムの存在は明らかになっておりません。
一方、赤血球に感染するマラリア原虫も感染赤血球上にマラリア原虫由来の様々なタンパク質を発現させることから、マラリア原虫にも宿主の免疫担当細胞と相互作用して免疫応答を逃れるメカニズムが存在する可能性が考えられました。
そこで、感染赤血球上に発現するマラリア原虫由来のタンパク質がマラリア原虫に対する免疫応答にどのように関与しているかを解明することを目的として大阪大学微生物病研究所/免疫学フロンティア研究センターの齋藤史路特任研究員、平安恒幸特任助教、荒瀬尚教授らの研究グループは研究を実施してきました。
チームは、患者が繰り返しマラリアに感染する点に注目。原虫が人の免疫システムを十分に働かないようにして、攻撃を免れていると考えた。
大阪大学微生物病研究所免疫学フロンティア研究センターの齋藤史路特任研究員と平安恒幸特任助教、荒瀬尚教授らは、世界三大感染症の一つであるマラリアの重症化メカニズムを解明した。
病原体のマラリア原虫に感染した赤血球が、免疫反応を抑制してしまうことが分かった。
この仕組みを阻害することで、マラリアのワクチンや治療薬の開発前進につながる。
同じ患者が何度もマラリアにかかってしまう事例に着目、マラリア原虫が免疫反応から逃れる仕組みの存在を想定した。
そこで感染赤血球上に発現するマラリア原虫由来たんぱく質の免疫応答への関与を調べた。
解析の結果、免疫細胞の活性化を抑制する受容体「LILRB1」にマラリア原虫のたんぱく質「リフィン」が結合。
抗体を産生するB細胞や感染赤血球を攻撃するナチュラルキラー細胞の活動を抑えることを明らかにした。
マラリアの原因となる原虫が感染した人の免疫の働きを抑制し、重い症状を引き起こすことが分かったと、大阪大の荒瀬尚教授(免疫学)のチームが英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
本研究によって、マラリア原虫には抑制性の免疫受容体(抑制化受容体)を利用して免疫応答を抑えるという新たなメカニズムが存在し、その免疫抑制機構がマラリア重症化に関与していることが世界で初めて明らかになりました。
本研究成果は、今後、予防効果の高いマラリアワクチンや治療薬の開発に大きく貢献することが期待されます。

磁気刺激のTMS治療でうつ病治す

うつ磁気刺激治療(TMS)とは、正式名を経頭蓋磁気刺激治療といい、Transcranial(頭蓋骨) Magnetic(磁気) Stimulation(刺激)の頭文字をとってTMSと呼ばれています。
脳に外部から磁気による刺激を加えることでうつ病の症状を緩和する治療法が注目されている。
反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)と呼ばれるもので、2017年9月に厚生労働省が医療機器として薬事承認し、18年中には保険で治療が受けられるようになる。
抗うつ剤による薬物療法の効果がなく、長期間苦しむ患者の治療への適用が期待されている。
うつ病は、抑うつ気分や興味・関心の喪失が主な症状で、国内の患者数は100万人以上と推計されている。
治療の中心は抗うつ剤による薬物療法だが「約30%の患者は薬物療法の効果がないというデータがある。こうした患者に有望なのがrTMSです」と東京慈恵会医科大学の鬼頭伸輔准教授はいう。
これは頭蓋骨の外側から特定部位に向けて磁気刺激を与え、低下した脳の機能をもとにもどしていく治療法のことです。
うつ病になるメカニズムは完全には解明されていませんが、主にストレスが原因で脳内の神経伝達物質が減少し、脳の機能低下を招くことで発症するといわれています。
TMS治療は、この脳の機能そのものに着目し、うつ病との関連性が高いとされる「DLPFC(背外側前頭前野)」を標的にして、磁気刺激を与えていきます。
DLPFCは左の大脳皮質にあり、感情や意欲に深いかかわりをもつ部分です。
これを刺激して活性化させることで、感情のバランスを整えたり、やる気や興味といった意欲を取り戻す効果が期待されています。
磁気刺激といってもほとんど苦痛はなく、通院しながら続けることが一般的です。
日本でも一部の医療機関で採用されており、その活躍はうつ病治療にとどまらず脳卒中後のリハビリとしても使用されています。
1回の治療時間は40分程で、これを週に5日、3~5週間継続して行います。
東京慈恵会医科大学の鬼頭伸輔准教授は00年代前半から、杏林大学や国立精神・神経医療研究センターで、うつ病患者へのrTMS療法を臨床研究として約150例を手がけてきた。この治療法の日本での第一人者だ。
うつ病患者へのrTMS療法は、磁場をパルス状に連続発生させるコイル装置を患者の頭部に近づける。
磁場の働きで生じた渦電流が頭蓋骨の内部まで到達して脳神経細胞に働きかける。
うつ病患者の多くは、脳の左前方領域の機能が低下し、神経細胞間で情報を伝えるドーパミンなどの神経伝達物質の分泌が弱くなっている。
磁場によって脳を繰り返し刺激することで、こうした神経の働きが改善されるという。
治療期間は通常4週間から6週間。1秒当たり10回の磁気パルス刺激を1日1回40分程度、週5日実施する。
患者は入院または通院しながら治療を受ける。磁気刺激の過程で頭部の痛みや不快感を覚える人もいるが、治療を続ける中で痛みなどは軽くなっていくという。
磁場を発生させるため、刺激部位付近に人工内耳やペースメーカーなどの金属がある場合は治療をさける。
また、まれにけいれんを誘発する場合があるので、このリスクを考慮した治療計画を立てる。
東京慈恵会医科大学の鬼頭伸輔准教授によると、国内でのこれまでの臨床研究では、患者の36%がうつ病の症状がほぼ消える「寛解」となった。
寛解患者の6割は治療効果が持続する一方、3割程度は症状が再発したという。
TMS治療は、さまざまなうつ病治療のなかでも決して安くはない治療法といえます。
しかし、場合によっては副作用が見られる投薬治療では、長期になればなるほどその費用は大きくなり、またその効果はなかなか実感しづらいといった声も聞かれます。
TMS治療は従来までとは違った面からうつ病にアプローチすることによって、副作用や治療期間といった問題を最小限にし、画期的な治療法としてその効果も高く評価されています。

高齢化に伴うがん関連遺伝子とがん抑制遺伝子

高齢者ががんのリスクが高まるのはがん関連遺伝子が20年~30年かけて変異が蓄積されてがん細胞ができることからです。
人は1つの受精卵が細胞を分裂させながら、人間としての生命体を築いていきます。
どんな人でもそれぞれの細胞が分裂したり分化したり増殖したりする遺伝子を持ち、正常細胞の遺伝子は23,000種類あります。
また、2008年時点でがん遺伝子は766種類存在するといわれています。
遺伝子はたんぱく質の組み合わせでできていて、生命の誕生や維持に不可欠なものです。
そのため、がん遺伝子が存在しても、すぐにがんを発病するのではなく、この遺伝子に傷がつくと、細胞をがん化させてしまうのです。
私たちの身体の中には、がんの増殖を促進する遺伝子が存在する一方で、それを防ぐがん抑制遺伝子も存在します。
がんが増殖するためのアクセルとそれを防ぐブレーキの両方の働きが、私たちの身体には備わっていて、そのバランスが崩れたときに、がんの増殖が進みます。
さらに、正常な細胞の一部ががん化しても、免疫の働きが十分に発揮されれば、がん細胞を死滅させ、本格的ながんに発展するのを防ぐことができます。
こうした生体防御のシステムを打ち破って、がんとして発症するまでには10年、20年、30年という長い年月がかかっています。
がんが発症するには、加齢をはじめ、喫煙や過剰な飲酒、ストレス、栄養不足、睡眠不足、環境汚染、ウィルス感染など、さまざまな要因が長年にわたって蓄積することが影響しているといわれます。(あくまでも成人のがんの場合です)
がんは発症すると、どんどん増殖を続け、周囲の正常な組織に侵入し、しまいには血液やリンパ液の流れに乗って転移し、正常な細胞を駆逐していきます。がん細胞は他の正常な組織に必要な栄養を奪うため、がんの進行とともに身体が衰弱していきます。
そのためがんを発症しても、長いつきあいになります。上手につきあいながら寿命を全うすることができる時代になのです。
一方、本人の免疫力が十分に働くようにすることも、がんの治療には不可欠です。
がんの多くは複合的な原因によって発症し、これが原因とは特定できないのが普通ですが、日常生活の好ましくない生活習慣を改善していくことも、がんの治療効果を高め、再発、転移を防ぐためには大切です。
ポジティブな考え方で心と体の健康を保ち、少しでも良い状態で過ごすことが、がんとの長いつきあいには重要なポイントになるのです。

「リンゴ型肥満」はやはり怖い 2型糖尿病や心臓病のリスクが潜む

肥満は、脂肪が体のどの部分に蓄積しているかで、「皮下脂肪型肥満」と「内臓脂肪型肥満」に分けることができる。
皮下脂肪型肥満は、皮膚と筋肉の間にある「皮下脂肪」が過剰に蓄積しているタイプの肥満で、下腹部、腰のまわり、太もも、おしりに脂肪が付くことから、「洋なし型肥満」とも呼ばれる。
一方、内臓脂肪型肥満は、腹腔内の腸に「内臓脂肪」が過剰に蓄積しているタイプの肥満で、お腹まわりの脂肪が付くことから、「リンゴ型肥満」とも呼ばれる。
この2つの肥満のうち、2型糖尿病や心臓病につながりやすい危険な肥満とされるのは、「リンゴ型肥満」だ。
メタボリックシンドロームが該当するのはこのタイプだ。

「リンゴ型肥満」になる人は食べ物の摂取に特性がある。
◆食べ物…糖分の多いごはんやパン、和菓子、ビールなどを好む。
◆その他…食事の際は、とにかくご飯などの穀物類が欠かせない。
「リンゴ型肥満」の人は、2型糖尿病と心臓病のリスクが高まる遺伝的傾向をもつことが、43万人超のゲノム(全遺伝情報)を登録したバイオバンクで明らかになった。
「リンゴ型肥満」の人は、血糖を下げるインスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」のリスクが高く、体内のグルコースの処理が悪くなるおそれがある。
リンゴ型肥満(内臓脂肪型肥満)を放置しておくと様々な病気の原因となるため、高カロリーな料理、間食、アルコールの摂取が毎日の習慣になっている場合は、少しずつ減らしていくことで内臓脂肪型肥満の予防・解消に繋がることは間違いない。。