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古細菌感染で脳脊髄炎

物忘れや鬱など認知症の症状がある患者の脳にウイルスや細菌とは異なる生物グループの「古細菌」が感染し、脳脊髄炎が起きていたとする研究成果を、鹿児島大の高嶋博教授(神経科学)、﨑山佑介医師、神田直昭医師らの研究グループは、同大学難治ウイルス病態制御研究センターの出雲周二教授、京都大学疾患ゲノム疫学の松田文彦教授らとの共同研究や京都大のチームが米神経学会誌に発表した。古細菌は火口や海底など特殊な環境に存在し、病気の原因となるとは従来考えられておらず、古細菌による感染症の確認は世界初という。
古細菌は高温や高濃度の塩分など過酷な環境に生息することで知られ、人に感染して病気を引き起こす原因となることは、これまで確認されていないという。
チームによると、2005~12年にかけて、認知症状が進行する南九州の40~70代の男女4人に対する病気の原因究明過程で、磁気共鳴画像装置(MRI)で脳や脊髄に炎症が見つかった。4人の患者で脳の組織の一部を顕微鏡で調べたところ、核や細胞壁を持たない未知の微生物が血管の周りに集まっていた。
微生物のDNAを調べると、塩分の強い環境にすむ「高度好塩菌」という古細菌の一種と似た配列が多数見つかり、形状などから新種の古細菌と判断したという。いずれの患者も抗菌薬などで症状が改善した。古細菌は、細胞内に核を持つ細菌とは進化の系統上、別の生物とされている。脳の組織片を採取して調べた。核を持つ生物と細菌の中間的存在である古細菌の特徴を持つ病原体が見つかり、炎症の原因となっていることが疑われた。うち2人について詳しい遺伝子解析を行ったところ、古細菌の一種である「ハロバクテリウム」によく似たDNAが多数確認された。抗生物質などの治療で、症状は改善したという。
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科、神経内科・老年病学の髙嶋博教授により、原因不明の進行性認知症を呈する4症例の原因を追及した結果、世界で初めての古細菌感染による脳脊髄炎であることを見出し、報告した。
鹿児島大の高嶋博教授(神経科学)は「新たな患者は見つかっておらず感染の広がりはないと考えられる。古細菌はこれまで医学では触れられることがほとんどなかった。原因不明の慢性の病気や感染症の原因解明につながる可能性がある」という。
東京薬科大生命科学部の山岸明彦教授(極限環境生物学)の話では「古細菌は人間の腸管にも生息し消化活動に関係することが分かっているが、病気を引き起こす古細菌の存在は聞いたことがなく、興味深い」という。
古細菌は、真核生物、細菌(真正細菌)と並んで全生物界を3分する生物グループのひとつで、その形態は真正細菌に近いものの、系統学的かつ生化学的には、真正細菌よりも真核生物に近い生物であります。通常、古細菌は高塩濃度の環境、強酸性の環境、温泉や海底熱水地帯、腐った沼地など、生物の生存にとって非常に過酷な環境に存在します。一方で、ある種の古細菌は動物の口腔内や消化管内に存在することも知られていましたが、ヒトへの病原性はないとの考えが一般的でした。
過去には、歯肉炎を患うヒト口腔内で非特定の古細菌が増加傾向にあるとの報告がありましたが、古細菌がヒトを含めた生物の直接的な疾患原因となることを明らかにした報告はありません。それゆえ、医学の世界では、古細菌による疾患は全く認知されていませんでした。その点では、今回の発見は新しい感染症の世界を切り開き、また治療可能な認知症を発見したとも言える。

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