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心筋細胞シート生きたまま厚く重ねる技術の進展

京都大学iPS細胞研究所の山下潤教授らは、心臓の筋肉の細胞などからなる心臓シートを生きたまま厚く重ねる技術を開発した。
厚いシートは有用物質を分泌したり、心臓の拍動を助けたりする効果が高いとみられる。
重症心不全の再生治療向けに3年後に臨床試験(治験)を目指す。
マウスの胚性幹細胞(ES細胞)から心筋や血管の細胞を含む直径約1センチのシートを作った。
従来は4枚以上重ねると細胞が死んだが、ゼラチンの微粒子を間に挟む工夫で酸素や水を通しやすくし、15層に重ねた厚さ1ミリの
シートを作成することに成功した。
実験の内容は心筋梗塞を起こしたラットの心臓にまず5層重ねのシートを移植したところ、心臓が大きく収縮するようになった。
実験のポイントは、下記の手順により、行われた。
・マウスES細胞から作製した心臓組織シートを、ゼラチンハイドロゲル粒子を挿み込みながら、簡便にかつ細胞が生きたまま多数積層化
する手法を開発した。
・積層化した心臓組織シート5枚をラット心筋梗塞モデルに移植すると、3ヶ月後には、血管形成を伴った厚い心臓組織として生着して
いた。
実験の要旨は、マウスES細胞から作製した心筋・血管などを含む心臓組織シートをゼラチンハイドロゲル粒子を挿み込みながら15枚積層
化し、厚さ約1 mmにすることに成功したこと。
また、ラット心筋梗塞モデルに、心臓組織シートを5枚積層化したものを移植すると、移植後3ヶ月という長期にわたり、血管形成を
伴った厚い心臓組織様の構造として生着していたこと。
機械的な心臓収縮のサポートが可能な重症心不全の新しい治療法の開発につながる成果。
この手法は、他の臓器・組織にも幅広く応用可能であり、3次元の高次組織形成を容易にすることによって、再生医療に大きく貢献しう
ると考えられる。
研究の背景は下記の実態がある。
現在、拡張型心筋症や虚血性心筋症などの、重度の心不全の患者に対しては、心臓移植が最も有効かつ最終的な治療法とされているが、
ドナー不足は極めて深刻で、心臓移植以外の有効な治療法を確立することが求められている。
重症心不全の患者の心臓では、拍動の源である心筋細胞が失われているだけでなく、心臓を構成している多様な細胞(血管を構成する
細胞など)が失われることにより組織構造が壊れ、その結果として機能低下を来すことから、細胞の移植効果を高めるには、心筋細胞
だけでなくその他の心臓を構成する細胞も十分に補い、心臓組織構造として再構築することが望ましいと考えられる。
この点で、iPS細胞は、大量に増殖させた上で多様な心臓を構成する細胞群を効率的に分化誘導し、十分量供給できる可能性がある。
また、心臓への細胞移植治療における問題点は、心臓に直接注入移植あるいは細胞シートなどにより移植された細胞でさえも、長期に
わたって十分な量の細胞が心臓に留まる(生着する)効率が低いこと。
山下教授らのグループは昨年、ヒトiPS細胞から心筋や血管細胞を含む心臓組織シート(3枚重ねたもの)を構築し、ラット心筋梗塞モデル
に移植し、心機能の回復と移植細胞の効率的生着を確認した。さらに効果を高めるために、心臓組織シートを積み重ねる必要があります
が、これまでの手法では、内部まで酸素や栄養が行き渡らず、細胞が弱ってしまうため、3層重ねるのが限度だった。
山下教授らのグループの研究では、ゼラチンハイドロゲル粒子技術に着目し、心臓組織シートの多重積層化を目指した。
マウスES細胞から作製した心臓組織シート(心筋細胞、血管内皮細胞、血管壁を含む)を積層化する際にゼラチンハイドロゲル粒子を
挿みこむことで、3枚以上重ねても細胞へ酸素や栄養がわたり、生きた状態を一週間程度保つ事ができるようになった成果は、ゼラチン
ハイドロゲルを挿み込む手法は簡便なため、数時間で15枚重ねることが可能で、1mm以上の厚さの積層化した心臓組織シートを得ること
ができたこと。
5枚重ねたこの心臓組織シートを心筋梗塞ラットに移植したところ、移植後12週間にわたり血管形成を伴った厚い心臓組織として生着する
と同時に梗塞部の心機能を回復させていることが認めらた。
「長期にわたる細胞生着が悪い」という従来の心臓細胞移植の問題を克服し、長期間生存して機械的に心臓収縮をサポートすることが
できる「再生心筋」を供給し、重症の心不全を治療できる方法開発につながる成果。
この方法は、他の臓器・組織にも幅広く応用可能であり、3次元的な高次組織形成を容易にすることによって、再生医療に大きく貢献し
うると考えられる。
今後は、ヒトiPS細胞からも同様の積層化シートを形成することやブタなどヒトに近い動物モデルを含め有効性や安全性を確認すること
などを行い、近い将来、積層化したヒト心臓組織シートを製品化し、重症心不全治療に広く用いることを研究目標としている。

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